猫の食欲不振の原因は何?
愛猫に元気がない時ついつい心配になり、すぐに病院へ行ったほうが良いのか迷われる方も多いのではないでしょうか。
そんな時に気を付けたいポイントや、意外に見落としがちな食欲不振の原因などをまとめていきたいと思います。原因が大したことがなければ明日からでも食欲不振は解消できます。
1.食べていない期間
ますチェックしたいのは、猫がご飯を食べていない期間です。
いつからどれくらい食べられていないのか、把握していくことが最初の一歩です。
例えば愛猫に一日2回ご飯をあげているとして、その日の夕食分を食べてくれなかったとしても、それだけで慌てることはありません。しかし、いつも食べている量を食べなくなってきた。最近よく残すようになったという方は注意が必要です。
でも猫も生き物。
月齢や年齢によって「食べなくても平気な時間」は変わってきます。
目安時間
1~2ヵ月=8時間以内
2~3ヵ月=12時間以内
3~4ヵ月=16時間以内
1歳以上=24時間以内
この時間内であれば心配する必要はないでしょう。
しかし、この時間内であっても気を付けなければならないのは、食べた後に激しく吐いたり痙攣を起こしたりしている場合です。
その場合はこの時間内であっても、すぐに獣医さんのところへ診せに行きましょう。
緊急時なので、病院に電話をして指示を仰ぐことも大切です。
上記の目安時間以上で何も愛猫が食べてくれない場合も病院へ診察に行くことをお勧めします。時間の目安としては、1日半(36時間以上)絶食状態が続くときです。
そういった場合、太った猫は肝リピドーシスと言って、肝臓に過剰に脂肪が溜まり、肝機能障害を起こす病気になる可能性があるので十分に注意してください。
2.本当に食欲不振?
次にチェックするポイントは、けがや痛みがないかです。
食欲不振というと「食欲」がないんだと思いがちですが、実は口の中が痛い、ごはんを食べるときの体勢が辛いなど、体のどこかに痛みがあって結果的に食べられなくなっている可能性もあります。
現代の猫はウェットフートなど水分の多い柔らかいごはんを与えられている子も多いため、歯磨きをしないと歯周病や口内炎になってしまう子がほとんどです。
でも口の中を見せることや、口の周りを触られるのに慣れていない子はなかなか口の中を見せてくれず、知らないうちに病気が進行していてごはんが食べられなくなってしまっていたという可能性もあります。
もし口の病気にかかっているとしたら、口の臭いや痛がるしぐさ、よだれが出ているなど何らかのサインがあるはずなので、それを見逃さないように普段からよく自分の愛猫を観察しておくことが早期発見のポイントになります。
3.吐くときの原因は?
食べたのに吐いてしまう、という場合は状況と原因によって様々な可能性が考えられます。
正確に状況や原因を獣医師に伝えられるように吐いたタイミングや状況、吐いたものは何なのかをよく観察しておくことが大切です。
「猫は毛玉を吐くものだから」と軽く考えて、不調のサインを見落とさないように気を付けましょう。頻繁に吐いているのなら、それは「いつものこと」で放っておいて良い状況ではありません。
また激しく何度も吐く場合は重篤な病気の可能性もあるので、病院へ連れて行きましょう。
●吐く原因として考えられる可能性
- いつもと違うフードをあげた。
- おもちゃや小さなボールなど異物を飲み込んだ
- 部屋が寒すぎたり暑すぎたり猫にとって過酷な環境になっていた。
- 生理現象として毛玉を吐いている。
- 咳をしたり、えづいた勢いで吐き戻してしまった。
- 急に大量のごはんを急いで食べようとして吐いてしまった。
- 胃に何も入ってない絶食状態が長く続いた。
- 何らかの病気にかかっている。
- 何らかのストレスがある。またはあった。
- 何かを拾い食いした。
- 食中毒を起こしている。
- 寄生虫が棲みついている。
などの原因が考えられます。
4.下痢をして食欲がない
下痢が起こる原因も様々なものがあり、一概に「これだ」と断定はできません。
何らかの病気や、腸に異物が詰まっているなどの可能性も考えられます。
●下痢の原因として考えられる可能性
- 部屋が寒すぎたり暑すぎたり猫にとって過酷な環境になっていた。
- 何らかの病気にかかっている
- 食べ過ぎている
- 何かを拾って食べた
- お風呂に入れた
- 環境が変わった
- ストレスを感じることがあった。
- 去勢した。
- 寄生虫が棲みついている。
- 免疫力の低下。
- 食中毒を起こしている。
- 異物を飲み込んだ
- フードが合っていない
などが考えられます。
便から多量の血が出る、脱水症状がひどい、食中毒かもしれないという症状が強く現れている場合はすぐに病院へ行ってください。
5.元気だけどごはんを食べてくれない
こういった場合は「いつものごはんに飽きている」可能性があります。
猫は人間と比べて鼻はよく利きます。
しかし、舌は人間と比べると味を感じる受容体が12分の1しかありません。そのため、食べ飽きを解消するためには臭いの強いフードに変えることをお勧めします。
また、フードを変えても食べてくれない場合はフードの器にストレスを感じている可能性があります。
猫はひげが器に当たるのを嫌うため、あまり深い器だと頻繁にひげが当たり、それがストレスで食べられないのかも知れません。
まとめ
以上のことから、猫の食欲不振の原因を探るには普段から愛猫をよく観察しておくという当たり前のことが大切になってきます。
普段からよく猫の様子を観察しておくと、ケガや病気の早期発見や予防、原因の特定につながります。
すぐに原因が分からないときは、まずは様子を見て簡単にできる「フードを変える」や、「器を変える」という取り入れやすいことから始めてみましょう。
それでも変わらないときは普段と変わったことはないかを考え、思い当たる節がないなら猫に詳しい友人に相談してみる、動物病院に健康診断に行ってみるなど知識を持った人に相談に行くのがお勧めです。
一つ一つ問題を検証し、潰していくのは手間がかかることですが、いつまでも愛猫には健康で元気にいてほしいものですよね。
そのお手伝いがこのまとめで少しでも出来たら幸いです!